今回は「変数」について紹介します。「変数」を上手に取り扱えるようになれば、プログラミングの幅はぐっと広がります。しっかり理解しておきましょう。
変数と型
「変数」とは入れ物
「変数」って何?と聞かれたとき、一番わかりやすい答えが「入れ物」です。ただ、この入れ物には色々な種類があって、それぞれが入れることができる対象が異なっているのが特徴です。
情報を一つだけ入れられるものもあれば、複数の情報を同時に入れられるものもあります。また入れられる情報の種類も決まっています。
どんな種類があるの?
それでは、「変数」にはどんな種類があるのかを見てみましょう
- 整数型
- 浮動小数点数型
- 文字列型
上記はほんの一例ですが、整数を格納する”整数型”、実数を格納する”浮動小数点数型”や文字を格納する”文字列型”といったものがあります。整数型と文字列型のイメージを、次の画像で確認しましょう。
整数型の特徴
整数型は、名前の通り整数を格納するための型なので、”ひらがな”のような文字列は格納することができません。一方で小数点を含む実数の場合、小数点以下は四捨五入され整数として格納されます。上の例の場合、実数”3.9”を整数型の変数に格納すると、小数点以下が四捨五入され整数の”4″になります。このように、格納する前と取り出した時の値が異なるので注意が必要です。
文字列型
次に、文字列型です。文字列型の場合、整数や実数、ひらがななど、なんでも格納することができます。但し、文字列として格納されるので、取り出した値の見た目が数字であっても計算を行うことができません。
このように、変数によって入れることができるものが異なっていたり、格納する前と後で性質や値が変わることがあるので使用する変数がどのようなものなのかをよく確認してから使用するようにしましょう。
変数の宣言方法
変数を使用するには、まず変数の宣言を行います。変数の宣言とは、この変数は、こんな特徴(データの型)をもっているよ!と指定することです。
宣言の仕方は次の通りです。
《型の宣言》
Dim 変数名 As データの型
変数名は、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット、数字などが使用できます。また、基本的には、自由に決めることができます。ただし、Visual Basicで既に使用されている命令文と同じ名前は使用できないので注意して下さい。
変数名のつけ方のポイント
変数名のつけ方のポイントは次の通りです。
- 変数の表す意味を分かるようにする。
- なるべく短く
- ひらがな、カタカナ、漢字は避ける
変数名はその変数に格納される値がどんなものなのか、変数名を見ただけでわかるようなものにすることをお勧めします。たとえば、金額を格納する場合は、”kingaku”などです。
また、ポイント2・3ですが、これは変数名を書きやすくするためです。変数名が長いと、書き間違えの可能性が高くなります。また、ひらがな、カタカナや漢字については変換作業や入力方式を切り替える手間がかかるので面倒になります。
ただ、最終的には好みの問題ですので使いやすいやり方を見つけてください。
データの型
変数に格納する値の種類を指定するには、データの型を指定します。データの型には最初に書いたように、整数型や浮動小数点型、文字列型などがあります。他にもあるので確認してみましょう。
データの型は他にもまだありますが、よく使うものとして次のものを覚えておけば良いと思います。
- 整数型(Integer , Long):物の数などを数える時に使う
- 倍精度浮動小数点型(Double):計算を行う時に使う
- 文字列型(String):文字列をを扱う時に使う
- 日付型(Date):日付を扱う時に使う
- Variant型:なんでも入る
プログラム処理の効率を突き詰めていくと、格納する値の大きさによって適切なデータの型を選択する必要がありますが、事務作業においてはそこまで厳密に選択する必要はないと思います。
なお、Variantは表には書いていませんが、数字でも文字でもなんでも格納できる魔法のようなデータの型なので極論の場合、すべてVariantとしてしまっても良いのですが、大まかなデータの型くらいは選択しましょう。
整数型や長整数型、単精度・倍精度などの使い分けに関しては、VBAに慣れていったとき、もっと効率的な処理を行わせたいと感じたら、適切なデータの型を選べばよいと思います。
変数への値の格納方法
変数は入れ物なんだということは何となく理解していただけたかと思います。そうすると次に出てくる疑問としては、どうやって値を「変数」へ格納するのか?という疑問が浮かんでくるのではないかと思います。
「変数」への値の格納は「=」(イコール)を使用します。
たとえば、整数型の「変数」へ”10”という整数を格納する場合は
「変数」=10 というように書きます。
ここで、注意すべきてんとしては、この「=」は数学のイコールと同じ意味ではないということです。意味としては、「←」となります。
「変数」←10 と書き換えてみるとわかりやすいかと思います。
このルールは、「変数」が整数型や文字列型だけでなく、すべての型に共通するルールですのでしっかり覚えておきましょう。
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